ご機嫌な黄色

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのご機嫌な黄色のレビュー・感想・評価

4.9
原作未読、パンフも無く、覚悟して喰らいつく
スコセッシ監督による史実に基づいた演技頂上戦‘音シネマ’

内側から乗っ取ったディカプリオの表情と、
幽体離脱したみたいにほんの少し離れたところで冷静なデ・ニーロの表情、
リリー・グラッドストーンの深い眼差しは初めて観る私には役とは思えなくてドキドキした
そんな画もさることながら、
これは音のシネマだと思った

暖炉で静かに燃えはぜる音がする部屋で、
ヘイル(デ・ニーロ)がアーネスト(ディカプリオ)に「キングと呼べ」と炉辺談話で物語が始まる
最後にはラジオドラマで、ある人により、(真当で良き)大統領の演説のようなメッセージが観客に届けられる

焚き火を囲むのは野生動物を遠ざけ、
仲間との安心を得る目的だったと思う
炉辺談話
時が経ち町の外灯は殺人者を遠ざけるために灯された

長距離や長時間走る時はBPMが自分に合う音楽を聴きながらだと楽だが、
映画だってテンポやリズムは大切
そこが今作脚本や編集の良さは勿論、
文字通りに劇伴が伴走してくれ、
長尺を全く気にさせず完走はあっという間であった

せせらぎや虫の声、天候の音がしている
嵐の時は静かに黙っておく

圧倒的

上映回数が多くなくノーマルでの鑑賞でしたが、Dolby Atmosでおかわりしたい
ご機嫌な黄色

ご機嫌な黄色