アイガーサンクション

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのアイガーサンクションのレビュー・感想・評価

3.6
20世紀前半のアメリカとオセージの文化と共に、未開な時代の闇の沼に嵌っていく愚かな男と、その背後にいる叔父、巻き込まれるインディアンの女性を中心に描かれる_
のだが、人の死が無惨だが簡単に殺される様が象徴的で、アメリカ先住民の命が如何に軽く思われていたかを描いていて、現代の民間人を巻き込んだ戦争のような惨さを感じる。

ディカプリオは自分の意思を持てないようなどこまでも愚かな男を演じきり、デニーロはどこまでも悪辣な男を演じていた。
ジョン・リスゴーとブレンダン・フレイザーが司法の場で良い味をそれぞれ出していて良かった。ブレンダンは声の大きさや圧で人の言質をとるような弁護士を演じていて、それに証人が肯いてしまうのが情けないのだが、声の大きい者が幅を効かせるような人間はどの時代どの土地でもいるのだと痛感。

ブルーズギターの音も当時の雰囲気を漂わせていて、展開も早くて思ったより長く感じなかった。