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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのmiumiuのレビュー・感想・評価

3.8
原作小説は未読。
油田を掘り当てたことで裕福な人々が多いネイティブ・アメリカンのオセージ族。
オセージ族が白人と共に暮らす街で起きた連続殺人事件を描く物語。

マーティン・スコセッシ監督の新作、レオナルド・ディカプリオが主演&製作総指揮の鉄板コンビ。
海外の映画祭のプレミアでも高評価だったみたいで気になっていた作品。
それにしても上映時間206分は長いな…

物語は、ミステリーかと思いきや、真相や犯人は比較的早い段階で分かる犯罪映画といった感じ。
白人によるネイティブ・アメリカン差別や、人種の違う相手の生命を軽視し捜査すら行わないことなど、問題提起も感じられる作品。
レオナルド・ディカプリオやロバート・デ・ニーロは勿論のこと、妻役のリリー・グラッドストンの演技もとても良かった。
オスカーはじめ賞レースでも注目作品だろうし、リリー・グラッドストンがノミネートされるのかは気になるところ。



ここから本音。(褒めてないので今作が好きな方はスルー推奨します。)

ストーリーは面白く俳優の演技も良いのに(だからそれなりに高いスコアを付けた)、あまりにも長いのと映画のトーンがコロコロ変わるのとで、「いい加減にテンポあげて早く終わってくれよ」と思ってしまった。(好きな方ごめんなさい)
ミステリー、スリラー、ヒューマンドラマ、法廷劇… といろいろ盛り込まれているのが、私には逆に合わなかったみたい。

ディカプリオ演じるアーネストが最後まで間抜けだったのと、デ・ニーロが善人のような顔して極悪なのは好み。お金のことしか考えていないのとか、怖すぎる…。
ジェシー・プレモンスやブレンダン・フレイザーが、かなり後半になって飽きそうな頃に登場することについては、「俳優をカンフル剤的に使うな」と思ってしまった…。
最後の後日談をコミカルな演出にしたのも取ってつけたようで何だかなあ… と感じた。演出自体は好きだったけれど、ここまでずっとそう言うトーンじゃなかったのに、何で? と引いてしまったよ…

トータルで見て、
「スコセッシ監督だから大人しく観るけれど、他の監督が同じことやったら非難する人もいそう」
「3時間半の映画ではなく、最初から4話構成くらいのドラマとして企画するべきでは」
というのが正直な感想。
レオナルド・ディカプリオは連続ドラマには出演しないだろうから、連ドラだと企画自体成り立たないんだけどね…
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