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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのmitoのレビュー・感想・評価

4.0
2023年127本目。
アメリカで実際にあった先住民オーセージ族行方不明事件を描いた作品。

恥ずかしながら勉強不足で、あの時代のアメリカに、そもそも裕福な先住民が存在したことを知らなかった。
先住民って大体迫害されて、貧しい生活を強いられるイメージしかなかったので、石油の利権で世界有数の富裕層の先住民という存在自体が不思議な感じ。

そんなオーセージ族が闊歩する地に降り立った、ディカプリオ演じるアーネスト。
ディカプリオ、アカデミー賞取りそうだね。自分の意志のない超ボンクラを見事に演じ切っている。
オーセージ族側もモーリーを演じたリリーグラッドストーンも素晴らしかったし、こちらもアカデミー賞の可能性をかなり感じた。

しかし、モーリー含む、オーセージ族の女性の結婚や男性との付き合いに帯する割り切り方…凄いな。
確かに完全に金目当てで近付いてくる人が大半だったらトロフィー感覚で「イケメンしか勝たん」みたいな思考にならざる得ないか…。

その女性陣に対して、当然のように法律的に金銭の放出を制限したり、露骨な保険金殺人ムーブや息を吐くような差別をさも当然のようにお見舞いする白人の畜生っぷりは映画ながらドン引き。

それこそ、この映画で出てくる白人達は悪事の仕方が稚拙だけに、まだ笑える要素が残っているが…。そんな稚拙な犯行がまかり通ったり、それ以上に用意周到なジェノサイドをしてたと考えると、中々虫酸が走る状況ではある。

いつもと変わらないスコセッシ節、しかも上映時間が更に延びて3時間超えあるのに、全く飽きが来ず、苦にならないのは監督の巧みさ故なのか…。
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