エアール

ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー​のエアールのレビュー・感想・評価

3.4
美人助手 ココことナタリア・ダイアー
いったいあと何回死体を発見すればいいのか、笑
行く先々でこれではね
100%トラウマになりますわな、笑


さて
芸術は危険なものである、と。。
謎の失踪を遂げる者、
首を吊り亡くなってしまう者、
腕をもぎ取られ失血死してしまう者、
誰にも気づいてもらえずアートの一部なってしまう者、
ロボットに首をへし折られてしまう者、
みなさんたどる運命もいろいろです。
すべてはとある無名画家が描いた絵に関わったばかりに…


レネ・ルッソ演じるロドラのもと
ヘイズ・ギャラリーの受付として働くジョセフィーナことザウェ・アッシュトン。

とある日
彼女が住むアパートで
上階に住む老人が廊下で倒れたまま亡くなっているのを発見するジョセフィーナ。
身寄りのないその老人の部屋には
数え切れないほどの絵が保管されており
どの絵も幻想的、かつ暴力的で、
複数の手法が混在していることから醸される独特な魅力が
絵を見た者を引きつけて離さない。

管理人いわく、
絵も画材道具も
本人の意思で何もかも捨てようとしていたらしく
その作業の最中に亡くなってしまったようだ。

これらの絵はカネになる、
そう確信したジョセフィーナは
確かな腕をもつ辛辣な批評家 ヴァンデウォルトやロドラに絵の存在を知らせる。
彼らもまた絵を高く評価、
こうして展示会に唐突に展示された彼の作品は
瞬く間に業界で注目株となり
今は亡き老人画家の名前が知れ渡ることに
ーー老人の名はヴェトリル・ディーズ。

ディーズの絵のおかげで
ジョセフィーナは受付から
ロドラと対等な立場のパートナーへと。
がディーズの絵が発掘されたことで
彼の絵で利益を得た、関わりをもった人間たちが
次々と不可解な現象に見舞われていく…

絵が動いて見えたり、
聞こえもしない人の声を聞いたり、
突然発火したり、
何かに引っ張られたり、…

また、ディーズの謎に満ちた過去、
空白の30年とその後とある退役軍人病院の記録に突然その名前が出てくる、
医療の人体実験、
引きこもり、
それから絵を分析した結果
すべての絵に使用されていた赤色の部分には
人間の血が使われていることが判明、
この世のものではない、なにか霊的力が絵に働いているのかも…


画商、元美術館職員、批評家、芸術家たち。。
確かなのは彼らの身に
危険ななにかが迫っていること。
絵に殺されるのか、はたまた絵を始末するか、
カネや名声か、それとも命か?


ジェイク・ギレンホール主演 × Netflixオリジナル作品って事で
楽しませてもらいました。
登場人物が少なくないのもあって
相関を落とし込むのになかなか混乱するかも分かりません。

ここからは余談にで
不気味な絵で思い出したのですが、
ズジスワフ・ベクシンスキーという
ポーランドの芸術家をご存知でしょうか?
有名な画家なので
言うまでもないかも知れませんが。。

残念ながらもうすでに亡くなってますが
お気に入りの画家のひとりで
作品で出てくるディーズの絵を見たときに
彷彿とさせるではありませんが
なにか結びつくものがあったので
載っけてみました。
興味のある方は是非調べてみるといいかもしれません。

彼の絵には
どれも独特の世界観が垣間見え
退廃、絶望、恐怖、残酷、死、でもどこか美しさも感じさせる
そんな不思議な作品を数多く残した、
孤高な絶望の画家という異名を持つ方です。

作品にタイトルをつけないことでも有名で、
作品を見た者によって
解釈やインスピレーションが異なる、”縛り”なく絵を見ることができるあたりも
面白いといいましょうかねぇ〜


絵画も素敵ですけど
他作品中に登場するスフィアや見事な反応を見せるホームレス・マン ケンジ、など
それぞれに趣きがあって
これらはこれらで良かったです。

キャストにいたっても
ジェイクを筆頭に
レネ・ルッソやもはやホラー作品常連のトニー・コレットら
ベテランの芝居もいいですね〜
ほんでジョン・マルコヴィッチ!!

なんか最近観てる作品に
やたら彼が登場するというね、笑
無意識のうちに彼が出てる作品を選んでみてるんだろうか…
本作でもまたグッジョブ!!


締めくくりは偉人のお言葉を
”依存は創造力を殺して”
”未知を創り出す力を奪う”
”存在しないのだ”
”新しい物を際限なく生み出す手立てなど”
”ただ自分を信じることだけが”
”不安と過去を乗り越えさせる”
エアール

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