CHEBUNBUN

ガザの友人への手紙のCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

ガザの友人への手紙(2018年製作の映画)
1.0
תחשוב על הקהל לפני שתחשוב על אחרים
(他者を思う前に観客を思え)

本作の凄いところは、開始5分で爆睡する方がやたらといたこと。ブンブンと一緒に観た映画仲間も一瞬で睡魔の底に堕ちていったので、なんたる恐ろしさ!と思いました。本作は、冒頭に長々と「他者を思え(ヤッケルビアイカ)」と淡々と述べるところから始まるのだが、他者を思う前に観客を思って欲しい。ゴダールやストローブ=ユイレなのかもしれないが、あまりに下手でダサいコラージュの連続に怒りが込み上げてきます。本作の最大の見せ場である建築途中のイスラエル西岸地区の分離壁で起こるショッキングな事象を遠くからカメラが収めるシーンなのだが、あまりにピントがボケていて何が写っているのかがよくわからない。

また、アモス・ギタイはカフカの手紙(『ミレナへの手紙』)へのオマージュを捧げたと語っているのだが、ガザの問題を叫ぶのにカフカを持ち出す意味はあるのだろうか?これはアモス・ギタイのナルシズムでしかないのでは?と感じてしまった。もちろん、ブンブンがイスラエル、パレスチナ情勢に対する教養がないのが原因であるのだが、まさしく劇中死んだ目になっているアモス・ギタイのように早く終われと呪い続けた作品でした。
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