さわら

盆唄のさわらのレビュー・感想・評価

盆唄(2018年製作の映画)
4.0
帰宅困難地域である双葉町と、同じくなかなか帰還できないハワイ日系移民の人たち。場所も時も言語も超え、共鳴する姿はなんとも感慨深い。
翻って、帰る場所を易くイメージできる圧倒的多数の我々の幸福を静かに噛み締めさせる。望郷を唄う彼らの“盆唄”に、しっかり寄り添わねばならない。

後半は双葉町内の各地区の共演が続くのだけど、コレが良かったな。人がいて地があって、そこでの生活があって、歌が生まれるのだと、その過程をありありと鮮明に思い浮かばせる。この映画の肝をだろうけど、それを成し得た時点でこの映画の勝利を手にしている。

難点を言えば、手を替え品を替え、アニメーションなどを混ぜ込み語り方を変えようとするところで、正直そんなに効果的ではなかったように思う(偉そう