KnightsofOdessa

お嬢ちゃんのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

お嬢ちゃん(2018年製作の映画)
4.9
世界が実に下らないことなんか随分昔から知っていたし、それを私自身がもっとつまらないものにしていることも知っていたわけで、人の発言の揚げ足を取りつつ"みのり問答"と私が勝手に呼んでいる例の言論突進を、"自分って実に面倒くさい人間なんだなぁ"と自己嫌悪しつつも、心のなかで幾度となく繰り返したことがある。もっと何も考えずに生きれば(というのも失礼だが)、人生もっと楽しくなるのかしらとは思ったりすることもあるが、正直それも面倒なので私は今の場所に居続けると思う。半ギレで"すいませんでした、許してください"って言えば許してもらえるはずだから。

そう思わせる魔力はあるものの、劇中で何度も言及されている通り、映画がそして"みのり問答"が肯定されるのは美人だからだとは思う。性格の悪さは美人にはbut、ブスにはandで機能するからなあ。

誰も自分の外面的内面的なレッテルを否定しない奇妙な映画だった。あの場で自分を否定しているのは自分だけだったと思うとなんだか恥ずかしい反面、圧倒的な包容力と肯定感にやられてしまった。太ももも最高だし、写真集みたいになってるパンフレットも最高だし、私は部屋にポスターを飾ったおかげで四六時中睨まれ続けている。
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