鑑賞者

キングスマン:ファースト・エージェントの鑑賞者のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

リス・エヴァンスすご。言われな気づかん。

タイトルの差し方良い。

アクションは申し分ない。ラスプーチンパートとか独創性たっぷり。時代設定の関係で、本シリーズの醍醐味でもあるハイテク装備を登場させられないなかで、よくやったと思う。

歴史に詳しくないので、諸々の歴史的事象を再解釈する仕方は単純におもしろかった。詳しい人が観たらどう思うんでしょうか。

なぜ「Kingsman」という組織ができたのか。それは親の子を想う愛からだった。
結局これに尽きる気がする。自分のためというより無垢なる子どもたちのためにこそ、戦争をしちゃならんのよ。(今後技術革新によってどうなるかは分からんが)戦争に駆り出されるのは若人ばかり。問答無用でこの世界に産み落とされて、これまた問答無用で国に命を捧げるよう命ぜらるる。こんな不条理はないよ。
オーランドの境遇が『The Amazing Spiderman』のピーターにがっつり重なる。俺この筋に滅法弱いわ。でも愛するってのは相手の自由を尊重して、その結果もすべて受け入れることなんだよな。つれぇな……。

はっきりと反戦の思想が打ち出されていた点は強く評価したい。
ただし!平和主義者は人を殺せないゆえに戦争を止める力が弱い(または無い)という「平和主義者のジレンマ」に対して、本作はある種の暴力肯定によって答える。が、到底納得のいくものではない。このテーマに着目した事自体は素晴らしいが、今後の作品で説得的な回答が提示されることを願う。
鑑賞者

鑑賞者