くろきつ

キングスマン:ファースト・エージェントのくろきつのレビュー・感想・評価

4.5
第一次大戦を舞台にどこの国にも所属しない独立諜報機関キングスマンの華麗で超過激な誕生秘話を描いたシリーズ第三作。

三作目はキングスマンの誕生秘話。第一次大戦が舞台で今までのキングスマンシリーズとはまた違った作風。今回は本物の英国紳士の歴史に基づいたまるで「インディ・ジョーンズ」のような冒険物語。今作の特徴はその上品さ。現代ではなく舞台が第一次大戦下というのもあってその時代の本物の紳士が登場する。今までのコミカルなキングスマンではなく上品さに重きを置いた本物の紳士を描いたキングスマンだったように感じる。キングスマンとしてこの作品はとても似合った作品だと思う。第一次大戦下の世界が忠実に再現されていてアクション映画としてではなく歴史映画としても楽しめると思う。一作目は一級スパイアクションだったのに対して二作目はB級エンタメアクション。そして三作目の今作は一級歴史アクション。キングスマンらしさを取り戻していて私は好きだった。敵役の魅力が高くて特にリス・エヴァンスが演じているラスプーチンのおぞましさといったら一級品。中盤だけの登場だけれどその舞のような戦闘スタイルはなにかのミュージカルを観ているようだった。一作目のような派手でスマートなアクションというよりは、今作のアクションは気品のある剣などを用いた美しいアクションだった。全体的に安っぽかった二作目の映像に対して今作は映像の高級感がものすごくてキングスマンの世界に浸ることができた。キングスマンが大好きな人にとってはラストシーンは心躍る。三作目全てが観終わって感じたのは意外と二作目も悪くなかったなということ。三作とも作風が違くて単体の作品としても楽しめる。というか続編として楽しむべきじゃないかもしれない。あと二作目のこれじゃない感の正体はアメリカだったのだ。それに気が付いた。
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