hi1oaki

ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒のhi1oakiのレビュー・感想・評価

3.9
とりあえずライカ作品が超絶技巧を見せてくるなんて事は百も承知なんだけど、やっぱり凄まじい。
『犬ヶ島』や『ファンタスティック Mr.Fox』みたいなウェス・アンダーソンが作るアナログな魅力のあるストップモーションと対極にある作品。

知らないで観ると“3Dアニメーションでしょ?”となってしまうかもしれない、とんでもなくハイレベルなストップモーションの技術を魅せながら、ちゃんと話が面白くインディ・ジョーンズかクォーター・メインかはたまたタンタンかという、オールドスクールでド直球な冒険譚になっている。
そしてコメディとしてもよくできているのは、人形達がちゃんと“演技”しているから。始まってすぐライオネルがヒュー・ジャックマンにしか見えなくなる。ドヤ顔で技術だけを押し付けて観せようとしているわけではないプロの仕事。“どうよ?この動き凄くない?”なんてやつじゃない。
過去の名作アニメ群を“今さら”3D化して悦に入っている一部の日本アニメを遥か高みから見下ろす…いや見えてもいないよね。

ピゴットみたいに進化論を信じない(信じたくない/信じるわけにいかない)人って現実にいるんだよね。実際アメリカ人の4割は進化論を否定しるって言うし。だって人は神によって作られたものじゃないと困るから。LGBTや人工妊娠中絶、環境保護に反対するのも宗教的な理由。それが政治にまで影響しちゃうんだから厄介。

とりあえずスタジオライカ作品を観たことが無いという方は、どれを取っても素晴らしいストップモーションアニメーションの最高峰なので是非堪能してほしい。
“これどうやって撮ってるんだ?”って考えながら観るだけで充実(かつ気が遠くなる)の映画体験なので。
hi1oaki

hi1oaki