ざきを

特捜部Q カルテ番号64のざきをのレビュー・感想・評価

特捜部Q カルテ番号64(2018年製作の映画)
4.5
壁の奥に隠された3体のミイラ。
12年前に殺されたとされるその3人の死体の謎を紐解いていくと、アサドとカール、そしてローセまでにも危機が及ぶような大きな組織の関わりが見えてくる…

多くの人が言っているように、4作品目にして最高傑作であると私も思う。
優生思想による移民の迫害。
1930〜60年代までに起きていた事実を元にしたストーリーは、今までの作品と同様に暗く重く、わたしたちの心に響き、考えさせられる何かを残していく。

骨太なミステリーは相変わらず。その上にカールとアサドの熱い絆のストーリー。118分があっという間。なかなか自分の感情を上手に表現できないガールがもどかしくて愛おしくて。やっぱり2度も相棒を失うのは苦しいんだよね。アサドを傷つけまいと行動するも、傷つけてしまうカールの不器用さがいい味出してました。

自分たちの偏った思想で他人を苦しめる。
今までの作品の犯人はどこか同情する余地があったけど、今作の犯人は一つも同情の余地がなく、社会から隠れたクソ野郎で本当に胸糞が悪かった。KKKがあるという事実があったり、日本にも昔は優生保護法があったりしたことを考えると、こんな人がこの世界のどこかに多く隠れている。なんとも言えない、苦しい思いになる。

暗く重い気分になるけど、カールとアサドの2人の関係に最後は癒される。
観て損のない、素晴らしいシリーズだと思います。
ざきを

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