ギャス

ザ・ライダーのギャスのレビュー・感想・評価

ザ・ライダー(2017年製作の映画)
3.3
矛盾した言い方だが本物の"演技"が素晴らしい。
本物の馬乗りと本物の馬との調教の長回しは嘘がない空間、リアルというものはそれだけで見応えがあるものだ。当たり前だが最先端のCGでも絶対に出せない。ドキュメンタリーとはまた違う、リアルという存在感。

馬とブレイディとのシーンはシンプルでとても美しい。特に自然の中での光景は息をのむ。



ネタバレ
生きる意味を失った安楽死のない人間は新たな目的を探すだろう。夢は失わずに。

リアルといえば、体も自由に動かせず声も出ない元ブルライダー、レインの姿は衝撃的。それでもロデオへの気持ちが揺るがない。友人たちも同じくブレない(ように見える)。学歴も金も無い、ロデオが至高で血肉であり、"その他の選択肢"はない世界。だからその絆は大切だ。金にもならないロデオはつまり命の根性で繋がる絆。
女性についてはこの映画での存在感はほぼないと言っていい。
妹は"自然"に近い存在なのか。ある意味の聖域。ブラジャーを切り刻む姿は、しかし束縛されない意思の表現してとても頼もしくもある。
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