いくもう

ブルーアワーにぶっ飛ばすのいくもうのネタバレレビュー・内容・結末

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

夏帆さん好き!!!

いまの自分で観れてよかった。もっと若いころだったら"よくわかんない映画"だけで終わっちゃってたなー。

ブルーアワーって、自分や目に映る世界の移ろいを表しているのかな。むかしは夜明けと感じていたものがいまは夕暮れに映る。

"田舎"の描写がすごい生々しい。
微妙な絡みしてくるアホそうな学生、ちょっとオシャレっぽいカフェにいるちょい怖い子連れママたち、腰を曲げて声のでっかい母親、鈍感を極め下着姿で横たわる父親、話が噛み合わない敬語の兄、しわしわで優しくて赤ちゃんみたいになったおばあちゃん。
特に"やめてくれよ~"となったのは、雑然とした台所でちっちゃい椅子に座ってちっちゃいテレビ観ながらカップ麺を食べる母親の後ろ姿。白い蛍光灯。まじでやめてくれる?

なんかね、見たことないのに見たことある景色が本当にしんどくて寂しい。
老い、貧しさ、死。強烈な生。
砂が言ってた"生きてると死んでるとかが生々しくて"ってのが本当にそう。
今の自分の生活は漂白されてて、そういう生臭さと向き合うのが怖い。

ビデオカメラを向けたときの母親の吐露。
砂が父親に放った"いい大人なんだから、もっと上手くやってくんない?"がよぎる。
私はわたしのことでいっぱいいっぱいなんだよ、一生懸命生きてんだよ、でも一生懸命ってなんなんだろうね?
ティッシュにくるんだおこづかいの千円札。

エンディングテーマの「清く、ただしく」がとてもいい。
出だしの"もしもあなたが私だったなら 嫌いなこの町 輝くでしょうか"は、キヨへ込めた願いだったのかなあ。
好きになりたかったし大事にしたかったけど。決別したから、キヨともバイバイしたのかな。

砂のせりふ
"ぜんっっぜん寂しくなくて寂しい!田舎嫌い!やーっべダッセぇ。。"
超好き。

私もよく田舎に帰って家族に優しくしたり楽しく過ごせたりする大人になれたらよかったな。
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