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ブルーアワーにぶっ飛ばすのnのレビュー・感想・評価

ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)
3.4
これはちょっと評価が難しい。

作り手が、自らの恥ずかしいところ、汚い部分をさらけ出して書いているところは評価できる。
30代のありのままの、独特のモヤモヤした感情をむき出しにしてるような。そしてその虚無感というか、人への不信感を生物の生死に関わらせて考えているところなども、ちゃんと人生に向き合っているなっていう。
そこはわかるんだが。

しかしである。
なんせ画が面白くない。人物が全員入る引きと、会話でのカットバックがほぼ90%ではないか。驚くほど手数が少ない。
特に同じ画面内で俳優を全然動かせてないっていうのがけっこうツラい。
そして、「セリフが聞き取りにくい」という感想が散見されるが、"自然"な演技を目指すと自ずと俳優のセリフは聞き取りにくくなる(リアルでは、人間はそんなにハッキリ話すものではないから)のである。しかし、それを直すのは演出家の仕事なのだ。
あとテクニックとしての脚本の部分。お話としてはちょいぶん投げ感が強い。
つまり映画監督として、「技巧」の部分が、かなり怪しい。

だから、やりたいことはわかるし、いい部分もあるけど、好きかどうか、評価したいかどうかというと疑問符、っていう印象の作品であった。

なんというか、映画の愉しみというよりかは、エッセイを読むといった方が近いかもしれない。
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