Omizu

ジャネットのOmizuのレビュー・感想・評価

ジャネット(2017年製作の映画)
4.0
【第70回カンヌ映画祭 監督週間出品】
『ユマニテ』ブリュノ・デュモンの「ジャンヌ・ダルク二部作」一作目。カンヌ映画祭監督週間に出品され、カイエ・デュ・シネマ誌ベストテンでは第2位に選出された。

ブリュノ・デュモン節全開の奇作。ジャンヌ・ダルクの生涯に基づいてはいるが、ほぼ全編セリフではなく歌で表現され、しかもそれがロック調。ジャンヌはもちろん修道女はヘドバン、父や母もロック調のセリフを歌う。

美術やロケーションは素晴らしく美しい。そしてちゃんと当時の風俗を再現している。それだけにガンガン響くロック調音楽の違和感がすごい。

意味のないシュールな行動やゆるい踊りといったデュモン十八番の演出が全開!出現した天使にも踊らせるという恐れ知らずのゆるい演出がおもしろい。

使い古されたジャンヌ・ダルクという題材を奇天烈な演出でここまで斬新なものにしてしまうとは。デュモン恐るべし。

デュモン演出が好きな人は大好きだろうし、デュモンを知らない、またはあまり好きでない人は置いて行かれてしまうだろうね。変な映画が好きな僕としては前者に近く楽しめた。

ただ、あまりに奇妙すぎてこれだけで傑作か珍作かは判断できない。第二作『ジャンヌ』も観てみる。
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