風来坊

サムライマラソンの風来坊のレビュー・感想・評価

サムライマラソン(2019年製作の映画)
3.0
「ベートーヴェン不滅の恋」「アンナ・カレーニナ」「パガニーニ」「キャンディマン」などで名を輝かせたロバート・ローズ監督。
久しぶりにその名を聞聞きましたが、巡りに巡って日本にやって来てまさか日本映画を撮るとは驚き!

ただこの人はキャリアの割には監督作が少なく、名作と迷作を繰り返しているので不安しかありませんでした。
本作は安政遠足を基にした小説「幕末まらそん侍」が原作。勝手に「超高速!参勤交代」のようなコメディ色の物と思っていましたが、シリアスでかなり血なまぐさい展開に驚きました。

てっきり佐藤健さん演じる男が主人公と思っていましたが、遠足を巡って悲喜こもごもの人達を描いた群像劇でした。
佐藤健さんの下段の構えはもう剣心にしか見えない。しかも相手が左之助役のの青木さんて(笑)

姫の顔を家臣ですら分からなかったのに、関所の下っ端に見破られるとかちょっとなぁ…。ストーリー展開はちょっと強引な印象。
結局は殿様の勝手な思いつきと隠密の早合点による迷惑でしかないので良いお話にしようとしてますけどイマイチ…。

コメディ部分は竹中直人さんが一手に引き受けていますが、監督から指示があったのか何時もと比べると控え気味。ふんどし一丁はもう見慣れているから面白くも何ともない…。

やっぱり外国の監督ですと外から見ての理想というか、日本人から見ると何か何か違和感がありました。
走るシーンのスローモーションもクドイ…。

ただでさえキツいのにわらじに着物に刀を差して走らなければならないのはスゴいですね。
日本のマラソンの原点と云われる裏にはとんだ騒動があったのは興味深い。
小松菜奈さんはカワイイというより男前でしたが良かった(笑)

悪くはないのですが史実を基にしたお話としては、深みがあまりないのが残念で評価も低いところでしょうね。
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