からかす

国家が破産する日のからかすのレビュー・感想・評価

国家が破産する日(2018年製作の映画)
4.0
同じような経済破綻を描いた映画でいくと
「マネーショート」が一番近いように思うけど
あちらがかなりコメディであるのに対し
本作はかなり真面目・シリアスな作りで
日本アカデミー賞の「新聞記者」テイストが強い。
手持ちカメラや青暗いトーンとか。
さらに市井の人々の目線も加えたことで
より身近に国家破産を感じられる作風になっていると思う。

「マネーショート」では難しい経済用語を
情報を詰め込みまくることで
意図的に煙に巻くという手法を取ったけど
本作は市井の人々の目線を加えることで
どのような経済危機が起こってるか
実例を交えて説明する手法を取っており
これは非常にわかりやすくて良い。
市井代表を演じたホジュノは抜群。
主役のキムヘスは若干弱いものの役どころ上やむなしか。

「新聞記者」もそうだし本作もだけど
こういう映画が作れる内は健全だと思うよ。
もちろん本作もかなりフィクショナルな部分はあるので
本作をもって100%理解した気になるのはNGだけど
こういう視点もあるんだと提起できる映画は必要だよ。
からかす

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