ゆってり

Fukushima 50のゆってりのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
3.8
大作


2011年3月11日
高校3年生だった。
進学での上京を控え、実家で幼かった弟と遊んでいた。
14時46分
地震だとすぐ分かった。
「地震!」と思った時には大きく長く揺れていた。恐ろしいと思った地震はあれが初めてだった。
弟に布団を被せて、地震が収まるまで2人でじっと待った。体験した事の無い大きい地震だったので遂に南海トラフが来たものだと思った。
しかし違ったのだ。
揺れが収まるのと同時にテレビを付けた。
NHKでアナウンサーも焦っていた。
これはやはり只事ではないと感じ、食い入る様にテレビを見つめた。
そこで初めてこれが南海トラフでは無く、東北で発生した地震だと分かった。
と同時に親から入電があり、お互いの無事を伝えて一安心する。
自身も落ち着きを取り戻し、改めてテレビに目を向けてみると各種警報が流れ震度7と出ていた。
次に津波の凄惨な映像が映し出されていた。
田園風景を勢いを持って侵食する津波
その津波から必死で逃げ出そうとする車
全てが恐ろしく、衝撃的だった。
改めて大変な事が起きていると実感した。
地震発生から1時間余りの事は鮮明に記憶しているが、それ以外のことはうつつ程度にしか覚えていない。
恐らくそれほどに衝撃的だったのであろう。
一連の天災について東日本大震災と名前が付くのは数日経ってからだった。
日本の歴史を悪くも変えた一日であった。

備忘録として。



そこから10年、今作を鑑賞しました。


今作は見ようと思っていましたが中々見る気になりませんでした。
それは別にトラウマがあるとかでは無く、福島原発という非常に重いテーマ、かつ上映時間2時間という長さ。
こんな重いテーマをこんなに長い事やられたら飽きちゃうだろうなーと思い、避けてきました。

しかし今日は気が向いていたのです。
思い立ったら吉日とは正にこの事。
意を決して鑑賞しました。


大作だと思います。

序盤での地震発生で食いついてしまいました。
個人的な予想では序盤ではダラダラ人間模様やって地震の布石しといて中盤ぐらいから地震が発生すると思っていました。
その予想は見事に裏切られ、どんどん心を持ってかれました。
今思うと確かにこれは地震の映画ではないです。
福島原発へ立ち向かった50人の物語なので至極納得がいきます。その後も引き込まれていきます。
シンゴジラを彷彿させる関係各所との連絡、
政府⇄本店⇄現場の闘い
決死隊の覚悟
中央官庁、政府の無能さ
ロートルのカッコ良さ
メルトダウン
家族愛
トイレのタバコ
トモダチ
締め
とまあ、見応えある映画ってのはつらつら書けちゃいますね。


俳優陣も豪華絢爛。
渡辺謙が凄すぎます。ラストサムライ超えてきましたね...
(自分のKEN WATANABE Highがラストサムライでしたが、余裕で超えてきました。)

ハマり役だし、熱演です。名優!


近年邦画では間違いなく大作だと思います。



2021年7月
福島からスタートした聖火は今、
TOKYOで燃え続けています。
ゆってり

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