アガサ

Fukushima 50のアガサのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
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名だたる俳優さん総出演でロケーションの再現にも相当力が入れられていてまだまだ復興には及ばない中、絶対恥ずかしい物は作らないぞ!という意気込みのもと作られた映画。 …のつもりだったのは充分伝わってくるものの、出来上がったものは良くも悪くも「日本アカデミー賞でウケそうな日本映画」の見本のような残念作に。

絵にかいたような悪役の首相も東電幹部も、それぞれに悔やんだり苦しんだりしているような描写を入れることで完全な悪にはしてしまわない、というかそもそもの事故原因を「天災」にしてしまうことで巧妙に責任をぼやけさせてしまう。

最悪の状況だけは避ける為、最後まで危険を承知で現場に残って作業にあたっていた方々の姿を知る事ができたのはよかった、いや、それだけがこの映画の目的なら充分達成しているのかもしれないし、勿論意義もあるだろうけど、本当にこれでよかったのだろうか。

最後の「復興五輪」の文字に冷え冷えとした気持ちが込み上げる。
どうしてでも「ええ話」で終わらせたかったように感じられて仕方ない。
被災地のみなさんにはそういう(美談オンリーな)映画も受け入れられるのだろうか。
私にはわからない。

海外関連のシーンが全部チープすぎて頭を抱えるレベル。ゲッティとか使えなかったのかな。
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