かえるのエリー

ホテル・ムンバイのかえるのエリーのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
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昨日観た「LION 25年目のただいま」でデヴ・パテルの成長に驚き、では以前から気になっていたこちらも観てみよう、と軽い気持ちでポチリ。なんとなく「ホテルルワンダ」みたいな感じかなと思っていたが、甘かった。

123分ずーーーーーっと緊張。これが実話なのだから、不条理極まりない。ホテルマン達の勇気を讃えるテーマがあるのだが、もっと根本的なところを考えざるをえないから。人類が誕生し、その発達した脳を生かして文明を開花させていく中で、なぜ人はいがみ合い殺し合う事に終止符を打てないのか。若いテロリスト達はなんの躊躇もなく市民を銃で撃つ。一回だけその手を下ろすことがあるのだが、映画的に感じるのはそこのみ。人の死に対し何も感じない彼らは、自らの命さえ差し出す。そして最も虫唾が走るのは、彼らと携帯でずっと通話を繋げたまま、煽り立て、指図し続ける首謀者だ。こんなヤツのために何人もの命が犠牲になったかと思うと、泣く事より怒りしか沸かないのだった。

星でランク付けできないし、かなりハードなのでオススメも出来ない。ただ、こういうことがあったという事実は知るべきと思う。