ホテル・ムンバイのmのレビュー・感想・評価

老若男女人種問わず登場人物達は非情に呆気なく死んでいき、生死を分けるのはほんの些細な偶然や選択。凄まじい緊張感が全編漲る。明らかにサスペンス映画として『盛ってる』部分があるので、実際の事件を扱う映画としてはそこでちょっと引っかかたりもするのだけど、映画としては素晴らしい出来。

一見イヤな奴でもそれだけに留まらず多面的に描かれる裕福な被害者側も、貧しく酷薄ながら怯えたり籠城中に家族に電話したりする面も描かれる犯人側も、『人間』として描いているのが良かった。