ぷー

ホテル・ムンバイのぷーのレビュー・感想・評価

ホテル・ムンバイ(2018年製作の映画)
3.8
どうして、人間が、同じ人間をこんな目に遭わせているのだろうと思った。

テロの首謀者が「奴らは人間ではない」と言ってたけど、人間じゃないと思っているからあんなことが出来んだろうな。

テロ組織の人が、人質を目の前にして家族に泣きながら「愛してる」と電話をするシーンは印象的だった。目の前の人質にも、同じように愛する家族がいるとは思わないのか、それを分かっているから涙が出たのか、
家族を想う気持ちは宗教や信仰に関係ないやろ!と思った。

アルジュンは、高級ホテルで働きながらも、家は典型的な貧困層のような所で、
そこからインドの貧富の差も見えた。

アルジュンが、自分のことを怖いと言っているイギリス人女性に対して、家族の写真を見せて自分にも家族がいると説明する。また、自分がシク教であると言って、このターバンは高潔さと勇気の証であり誇りでもあると話す。
今はあなたがお客様だから怖いなら外すと言うが、イギリス人女性は、アルジュンの丁寧で穏やかな態度に不安がとける。
このシーンは、この映画にとって非常に重要な場面ではないかなと思った。

この映画は、テロに立ち向かった勇敢な者たちを描いているが、勇敢にテロに立ち向かってすごい!ではなく、

なぜこんなことが起こったのか、何をしていくべきなのか、という風に、私たちはそこから、今の時代あらゆるところで起こる宗教や人種の対立について考えるべきなのだと思う。

生まれた国や宗教、肌の色、文化、色々違っても、みんな同じ人間で大切な人を想う気持ちは同じで…
そんな綺麗事言ったってって言うかもしれないけど、でも本当にまずそこから分かり合うべきなんだと思う。
ぷー

ぷー