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無双の鉄拳のトレバーのレビュー・感想・評価

無双の鉄拳(2018年製作の映画)
5.0
マ。
マまみれ。マづくし。
マに浸り切れる2時間、至福の時。

マ・ドンソク。
女性のウエストくらいの、丸太ん棒のようなぶっとい腕から繰り出される鉄拳で
悪党から家具から車から壁までぶっ壊す。
最強、最恐、最凶の男。
でも、女子供にはめっぽう優しい。
彼の映画は、基本全てこれ。

恵まれ過ぎた体躯の説得力が異常。
フィクションと分かっていても、
この男を敵に回したら確実に死ぬな、
と思わせるど迫力。
眼光鋭く、まるで怪獣。
しかし、その癖人懐っこすぎる笑顔。
通称、その愛されキャラから、マブリー。

自身が主演した映画の、スライによる
ハリウッドリメイクが決まりしかも!
かねてより憧れていたスライとの
共演も決まった!
そして、次期marvel映画に予定されている
「エターナルズ」にて、キアヌ・リーブスと共演も決定。
漢は、漢を呼ぶ。

本格的ブレイク間近のマ。
この作品は、そんなマの魅力に溢れまくっている。

借金を抱えながら魚の卸の仕事を真面目に
こなす男、ドンチョル。
彼には、まるで彼には不釣り合いな、
借金を減らす為に健気に働く、気立ての良い
美しい妻がいた。巨大な図体ながら、
彼は妻には頭が上がらないし、溺愛していた。

慎ましく暮らしていた2人が、車でちょっとした
トラブルに巻き込まれる。
真面目なドンチョルは金で解決しようとする相手に
警察に行きましょうとやんわり断り、
妻は正義感から金を突き返す。

相手が悪かった。
車に乗っていたのは、全ては金で解決出来ると
思っている、富裕層を相手にした売春組織のリーダー。
妻は、その美しさに目を付けられ、拉致される。

怒髪天を突く、ドンチョル。
妻を取り戻すべく、奔走する。
そして犯罪組織を追い詰めていく。
彼はかつて、雄牛と恐れられていた男だった。

舐めてた相手が、マ・ドンソクだった映画という
新ジャンルを確立したと言えるだろう。

全て腕力で解決。筋肉。
銃弾すら筋肉のために致命傷にならない。
走行中の車のウインドー、机、ロッカー、
ドア、天井、人間。
次々に腕力のみでぶっ壊していくのを
爽快以外の言葉では言い表せない。

漫画。いや、これこそまさに映画。

この映画はコメディ色も強く、大袈裟過ぎる破壊描写や
お笑い担当キャラも登場して、まるで往年の
香港映画も彷彿とさせる。

公開館数が残念ながら少ないが、最高の娯楽作品。
是非、マを堪能頂きたい。
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