キモチワルくて気持ちいい。
ストップモーションアニメは大好きですが、これまた新しい……
ミニチュア撮影かと思いきや、まさかの｢等身大｣！！どおりで迫力というか、不思議な違和感があって、普通のストップモーションアニメとは一線を画していると思いました！あと絵や物が動くときのカタカタ音や絵の具のドロドロ音がこれまた気持ちよく、耳の保養になりました。
｢コロニア・ディグニダ｣については全くの無知で、鑑賞後に記事を読んでみたら最低かつおぞましすぎる内容に、最後まで止まらず読み切っていました。この後本作を振り返ると、さらに怖いし、不快だし、キャッチフレーズの意味とかいろいろつながったりしました。
正直初見は、撮影は凄いけど長いし疲れるなという印象を受けました。しかし、先述のように史実をもとに振り返ると、忘れられないえげつない作品に自分の中で変わってきました。(映画の楽しさ)
⬇以下、ネタバレ含みます
本作はコロニアの子どもたちが見る悪夢そのものにみえました。
オープニングの語り手の声、および"オオカミ"はコロニア創設者(名前も出したくねー)の可能性が高い。子供たちは洗脳と暴力を日々受け続けた結果、ついには創設者が子供の脳フィルターを通してメルヘンな"オオカミ"に変換されて(姿形はハッキリしない…)夢の中にまで現れるようになったようにみえます。
…それとも、洗脳によって無理矢理みせられている悪夢的映像か。。創設者は女性を忌み嫌い｢豚｣とまで称していたことから、子供は洗脳による夢の中でマリアを俯瞰し、創設者に逆らった女性はどんな報いを受けるのかを、また外の世界は恐怖に満ちていることや、自分たちを助けてくれるのは創設者だけということを脳に植え付けられているようにもみえました。
いずれにせよ、子供の頭の中を覗いていることから、動く絵本のような世界観になっていることにも(勝手に)納得。
不快極まりないが、重要な歴史を知ることができたことが何よりの収穫でした。『コロニアの子供たち』や『コロニア』などの作品もチェックしたいと思います。
