HarukaNakazawa

オオカミの家のHarukaNakazawaのレビュー・感想・評価

オオカミの家(2018年製作の映画)
3.5
マジック・リアリズムのような不穏なストップアニメーション。シュバンクマイエルほど画に美しさがなく、荒い手跡がより不気味さを感じさせる。画面全体が動く迫力が、従来のストップアニメーションとは一線を画している作品。
アマプラ配信についていた土居さんの解説で「アリ・アスターやジョーダン・ピールのように、過去の出来事や現時点で私たちが置かれている状況を、カリカチュア化して次の世代に伝えていく流れに(作者たちが意図していなくても)乗っているとも言える」という話が出ていて、確かにチリ独裁政権下やコロニアの暗く不穏な空気感が、独特なアニメーションの作り方によって再構築されているのかも。