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影裏のめるのレビュー・感想・評価

影裏(2020年製作の映画)
3.8
影裏とは。

描写の一つ一つから作品の伝えたいことをじっくり考えられる映画で私の好みに合っていました。
顔のアップが多用されているから、わずかな表情の変化を見逃すまいと凝視してしまう。
ざくろの実の食べ方やタバコの吸殻の本数で登場人物の性格や心情が読み取れるのも良かった。
光と影を意識した自然の描写も物語の一つになってたと思う。

女の生脚だと思ったら綾野剛だったという衝撃。どことなく女々しくて、何度も生脚を撮すから困惑したけど、その意図も徐々に分かってくる。
どんな人間でも誰かにとっては大切な人。パンフレットのシーンは解釈が難しいけど、今野は自分なりの答えを出したのだと思う。
綾野剛の繊細な演技をたっぷり堪能できでとっても満足でした。

しっとりした夜に野外上映で観てみたい。

「人を見るときはその裏っかわ、影の一番濃いとこ見んだよ」
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