青二歳

サロン・キティ/ナチ女秘密警察 SEX親衛隊の青二歳のレビュー・感想・評価

4.5
ミュージカルのボブ・フォッシーは"キャバレー"で、ヴィスコンティは"地獄に堕ちた勇者ども"で全体主義の台頭を描き、ポルノの帝王ティント・ブラスはナチ諜報活動の拠点となった実在の娼館"サロン・キティ"をモデルにナチの歪みを描き切る。

ポルノ監督のカテゴリーだけどなんかもう意地でもそのカテゴリーからは出さないからなお前!と言いたくなるほど悪ふざけが過ぎるのに名作(迷作)!を世に送り出してくれるティント・ブラス監督。よく作れたなこんな映画…

おおよそ実話をベースとしているがティント相手に史実との照合なんて考えちゃいけない。実際と異なり、物語は実在の娼館を舞台にしたナチレジスタンスに発展してゆく。
なぜか屠殺工房から始まり、ティントお得意の大乱交に、顧客銘々の性癖の数々…
胸焼け必須です。でも面白いんです。ティント・ブラスだからしっかり悪趣味で、性の滑稽さが描かれ、ひるがえって神聖さが浮かぶよう。たぶん非ポルノ畑の監督だと"滑稽さ"が抜けちゃうだろうな。彼だからいいんです。
青二歳

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