プッチーニにのせられた美しい哀れさと、
ブリユーゲルのようなごちゃごちゃした彩度に彩られた、死んだ様に生きる“スタンド・バイ・ミー”たちのストーリー。
なかなか野心的でオモロい。
さてさて、“ザ・デッド”は何処に有るのか?果たして見つかるか?の冒険だ。
人生は儚い一瞬の夢、そんなこんなをコレでもかと言う映像美で攻めてくる。
希望があるとするなら、空想の仲間もシンデレラストーリーも、実はまだコレからだ・・・と解ってしまう、絶望の瞬間があるのだが、この監督の不思議なところは、だからこそ“これからだよ”と言う、コレから始まる彼の私の物語を、確かに焼き付けて終わるから、感動的なんだなあ。
物理的には些か長い尺なのだが、コレまた不思議なのは、飽きさせない、そして切りたいシーンもない、カット数も多いし、奇を衒ったカットやアングル満載なのに、何も鼻につかない。日本にこんな奴が居たとは・・・抑え抑えの意味ないカットと膨大なカット数がただただ続く昨今の凡百ある日本映画の凡庸さとは格が違うテンションに、見事にハマる。