Pastel

ウィーアーリトルゾンビーズのPastelのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

両親が死んだのに涙ひとつ出てこない、そんな "ゾンビ" みたいな4人が感情を得る度の旅に出る。

両親がそれぞれ
バスで事故死したヒカリ
火事で亡くなったイシ
貧困、DVの末に自殺したタケムラ
ピアノ講師に殺されたイクコ

この4人が「ウィーアーリトルゾンビーズ」としてバンドを組み、やがて彼らは社会に大きな影響をもたらしていく。

RPG のような、レトロなゲーム風の演出が可愛らしい。あとはデビュー後のファッションが素敵だった。

分かるな〜ってセリフも沢山あって、彼らに結構共感してしまったということは、私も"ゾンビ" なのかなと思ったり…笑

演技が棒という声もあるけど、彼らは感情のない "ゾンビ" だし、それでいい気もする。

あとはやっぱり、クライマックスで「両親の本当の想いを知り、感動の涙を流す4人!!」みたいなことにならなかったの最高すぎました。

日本の作品ってお涙頂戴な演出に取り憑かれてるイメージだったから、最後の最後まで警戒してたんだけど、そんな心配いらなかった。

他にも男の子3人組がイクコちゃんに対してロマンチックな幻想を抱くシーンがあるんだけど、間髪入れずに「んなわけあるか、ばーか!」って冷めた目で馬鹿にしてくるんです。そこがわたし的にグッときて。

こんなの逆に好きになってしまうよ…笑

なんとなく、ソフィア・コッポラのブリングリング見た時に泥棒した女の子たちの描き方に衝撃をうけたのを思い出した。「これは学びの場だったの」という彼女たちの主張だけにフォーカスした描き方。「実は彼女達にも事情があって…」「実はこんな風に思ってて…」なんて描写はいらないのだ。解釈なんかオーディエンスに任せて、ただ出来事だけを淡々と描く。それが出来てる作品って意外と少なかったりする。
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