ぬーこ

人間失格 太宰治と3人の女たちのぬーこのレビュー・感想・評価

3.6
監督 蜷川実花
脚本 早船歌江子
主演 小栗旬

今週は桜桃忌ウィーク!小説含め総復習。

太宰って描き方難しい。すぐにクズ男に見えてしまうからだ。でも優柔不断さはちゃんと描いてて良かった。
出版者の奴、ちょいとウザかったな。

思ってたより良かった。太宰好きとしても楽しめた。後半、少し失速した気もしたが、満身創痍で人間失格を描いたことを強調したかったのだろう。ボロボロの書く原動力は何だったのか、最後に二階堂ふみに死なないように説得しようとしてたのは?史実に則っているけれど作中の説明少ないから知らない人は大変かも。
それにしても結婚願望をますます失わせる笑

・太宰との初めての出会いで驚いたのが弱さを書くこと。小さい頃、大人は完璧だと思っていた。なのに50年も前の文豪が赤裸々に弱さや不甲斐なさを書くなんて。ダメな自分でも生きてて良いのかと思えた。まともな人間に、常識なんて持ったりする前に読むべき本。
あとそれでいてモテるところに憧れた笑
作家のかっこよさを教えてくれた。

ダメさばかりが指摘される作家であるが、それでも何で死の間際にこころに次ぐ20世紀最高の文学作品を書けるのか、ずるい。斜陽、人間失格、だんだんと作品レベルが上がっていく。

二階堂ふみのラブシーン、ヤバいな。
二階堂ふみが良かった、あの難役、憎まれ役を。

風車持って子供達が笑うシーンは寺山修司作品を彷彿させる。

三島の出てきた意味は?
何を書いたって本当はその作品の意味を理解しない?でも太宰の言う通り、三島は太宰にシンパシーを感じていて、仮面の告白とか黎明期は太宰に作風似てる。

伊豆の河津桜綺麗!

○謎シーン
宴会でヴィヨンの妻がいるかいないかの討論。臭さがある

○セリフ(小説の引用多い)
坂口安吾・女房だの子供だの壊れちゃ困るもんなんて作家が持ったらダメだ

人間はね、恋と革命のために生まれてきたんだ!

恋は一番美味しくて良いものよ、恋がよくないなら私は不良でいい。

戦闘開始!私は先生を敬愛する!

2021.104
ぬーこ

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