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ジョジョ・ラビットのcinecoroのネタバレレビュー・内容・結末

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

靴紐が…

冒頭のビートルズに乗せてヒトラーに歓喜する人々の映像、さながらビートルズに歓喜する聴衆そのものではないの。結構嫌な事するなあと思ったけどこれも作品のひとつのテーマであるのだろう。(誰しもがスターに熱狂するように巨大な力に扇動されうるという)
少年のファンタジーを周りの大人が優しく見守りつつも突如突き付けられるショッキングな映像との落差。
部屋で母と踊り抱き合っているシーンとその母の足に抱きついているシーンが対になっている様で切ない。というかこのシーン、いつも溌剌として信念を持って行動していた母ロージーの印象的な鮮やかな衣装を見る者に焼き付けておいて、少年の目線からの足元で、誰の亡骸がぶら下がっているのか一瞬にして分からせる、しかも顔を映さないことでより一層の悲しみを私たちに与えるという映像のマジックが効いていて見事に泣けてしまう。(この作品のスカーレット・ヨハンソンずっと観ていたい!)
そして靴紐…!
を結ぶシーンが象徴的に何度も出てくるけど、自分の靴紐がいつもほどけていたジョジョが母親の亡骸の靴紐を結んでやる、少女の靴紐を結んでやる、このジョジョの成長物語に子を持つ親としてはぐっと来てしまう。
しかしどうしても気になってしまうのはキャプテンkのサムロックウェルしかり(おいしい役だなあ大好きだけど)スカーレット・ヨハンソンしかり、めちゃくちゃアメリカンな俳優を使って変な英語で全編通していたのはどんな意図があったんだろう。終盤ジョジョが米兵に捕まって、「あなたたちの言葉が分からない!」というセリフまである。米兵は何語を喋ってたの!?という突っ込みでこのステキな映画を終わらせないために納得のいく答えが欲しい。
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