そーる

ジョジョ・ラビットのそーるのネタバレレビュー・内容・結末

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

ずっと見たくてようやく観賞した作品。

ポスターから予告、そして冒頭の全てが良かったので期待しすぎたのかな。

10歳の子供の精神世界にヒトラーを投影するやり方は洗脳教育によって育った子供を体現しているかのようで上手いな、と思った。
ブラックコメディぶりは大変良かったし、
キャプテンKやヨーキー、母親をはじめとしてキャラが皆立っていて内容もわかりやすくていい。
蝶を追いかける無邪気な心の先に待っていた母親の処刑という現実。
戦時中ではこのような事が当たり前に起こるし女子供も関係ない。
ポップな作品の中にしっかりと現実の不条理さを描けていた点もよかった。

だけどいまいち盛り上がりに欠けた気がしたなあ。
母の言葉の通り、最後は自由になり匿っていたユダヤ人の女の子と踊るシーンで幕を閉じるのだが、
うーーーん、、

そもそもキャプテンKが(誕生日の間違いに気づいていたのに)何故匿っていた子の事を黙っていたのかもちょっと謎だし、
(おそらく体制に疑問を抱いていたのだと思うが、、それか自身も同性愛者であることを隠している手前、特定の者に対する迫害に対して疑義があるからなのか、、だとしたらもう少し掘り下げて欲しかったなという印象。)

母が解放運動してたくだりももう少し掘り下げた方が感情移入できた気もする。
なので2時間通して結局何が伝えたかったのかが正直良くわからなかった。
主人公の盲目的な愛国心からの解放と成長?
人種を超えた先の平和?
戦争の非情さ?
母の愛?
どれも中途半端過ぎる。


唯一心に残ったシーンといえば、
ドイツの降伏後、ドイツ国の地の上を我が物顔で走り、星条旗を振り回すアメリカ兵。そして捕らえられたドイツ軍とその処刑。

それを見てBLEACHの京楽さんのセリフが浮かんだ。
『貸しがあろうが借りがあろうが戦争なんて始めた瞬間からどっちも悪だよ』
そーる

そーる