A8

ジョジョ・ラビットのA8のレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.1
ジョジョラビット!

ナチスに傾倒した10歳の少年と
その周りの人たちが生み出す
優しさに心打たれる、、


主人公ジョジョは“ハイヒトラー!”敬礼🫡
そのまま家を飛び出しナチス青年団のキャンプへと向かう。

ヒトラーへの傾倒は誰にも負けていない。
少々弱虫で逃げ腰ではあるが、、

眼鏡をかけた丸っこい友達とともに
キャンプへ参加したが、、

ある時、うさぎの首を折ることを拒否
そのまま逃がそうとする

しかし、敢えなく失敗
そこから彼の名は“ジョジョラビット”となる

さらに彼の空想の中で現れる
ヒトラー(タイカワイティティ)に諭され
男気を見せようと手榴弾を大尉から奪い
森へ投げ込む
しかし、それが跳ね返り自分の方へ、、

大怪我をし、顔が“ピカソの絵?”になった
ジョジョ、、
そこへ駆けつけたママは
彼の命が助かったことに安堵し
優しく抱きしめる。

家で大人しくすることを命じられた
ジョジョはある日、
屋根裏部屋に“ユダヤ人”が匿われていることを知る。

そこで出会ったユダヤ人女性エルサ
彼の“優しい心”が正しい方向への転換する
きっかけとなる。

二人の芽生える友情、愛情、、
とともに戦争の終盤が近づくに連れやってくる衝撃の展開。

蝶々がひらひらと飛んでいく先にこんな悲しいことがあるなんて、、
あってはいけない。


ナチスが陥落
アメリカ軍に捕えられるナチス軍たち
ジョジョもナチスの格好をして捕えられてしまう。
しかしそこには大尉がいた。
彼も“ナチス”による抑圧の被害者だったことが彼の格好からしてわかる。

彼は
ジョジョが来ているナチスの軍服を脱がした途端
ユダヤ人め!
そういって彼を逃したのだ。
引きずられる大尉の顔が
ジョジョに向けてエールを贈る
笑顔を見せているようだった。
何とも印象的で
心打たれるシーンであった。


この映画は戦争の生々しさや陰鬱さを
血やら目を背けたくなる死体、、
そういった視覚的なもので描くのではなく

その戦争の中でも
人はダンスをして
笑って
強い意志と命をかけて自由を求めたり
愛を忘れなかった者もいる。

そういった側面を
ジョジョの視点から
母親やエルサ、大尉、、
彼らの美しさ
そして彼らに見守られ成長した
ジョジョの逞しさ

そういったものを
タイカワイティティの独特なタッチで
美しく描いていた。


愛嬌と愛情と強さ、、
それらが溢れるようなスカーレットヨハンソン。
若干無愛想で何を考えているかわからないが
彼の根幹にある愛ある漢気サムロックウェル
二人の演技は特に光った。

ポップさ×戦争モノ
愛嬌に満ちた登場人物と
そこに待ち受ける残酷な運命
そのギャップをこんなにマッチさせるとは
さすがタイカワイティティ。

魅力的な登場人物たちの愛情。
果たして自分は愛のある人間なのだろうか、
そう考えさせられる気持ちになった。


最高におすすめしたくなる作品!
A8

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