このレビューはネタバレを含みます
人の心の豊かさ、そしてナチスの心臓が凍りつくほどの恐ろしさが見事に描かれている。ユーモアたっぷりで演出も見事。すべてのシーンが胸にささった。異様な熱狂をビートルズで、ラストがデヴィッド•ボウイのHeldenなのにくいなぁ!ひとえに反戦映画といってもその表現は監督によって様々だとしみじみ思う。
ナチスはユダヤ人虐殺だけでなく、同じドイツ人の反ナチ運動者は処刑。また病人や障害者や男性同性愛者は劣性人種として、治療もしくは排除するため強制収容所や病院へ送り多くの人を虐待や殺害してきた事実がある。それぞれが自分たちの国に対して自由と尊厳をかけて戦ってきた。大尉の最期、胸が苦しくなるほどカッコいい。
それにしてもタイカ・ワキティティが脚本して監督でヒトラー役まで!?健やかな少年の産み出した愛嬌たっぷりのヒトラーが、やがて植えつけられたナチズムとして明確に形になる演技も怖くて凄い。ご本人はコメディアンでもあるし…いや一体何者