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ジョジョ・ラビットのayellowbirdのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.0
試写会行きました!
タイカ・ワイティティ監督が第2次世界大戦時のドイツに生きる人々の姿を、ユーモアを交えて描き、第44回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞した人間ドラマ!
第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、空想上の友だち・アドルフの助けを借りながら、青少年集団“ヒトラーユーゲント”で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。しかし、訓練でウサギを殺せなかったジョジョは、教官から“ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかわれる。母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の隠された小部屋に、誰かがいることに気づく。それは母親がこっそり匿っていたユダヤ人の少女だった…。

テンポ良く進むが、とても深い作品! 他の少年たちと同様、ナチスで立派な少年兵になることがジョジョの夢。しかし、実際はうさぎも殺せない優しい性格が災いして、戦闘訓練の際に負傷、少年兵になる夢を絶たれてしまう。そんなジョジョが偶然、家の奥の小部屋でユダヤ人少女エルサと遭遇。それも母親が匿っていたことを知り、ナチス絶対主義の考えが音をたてて崩れ始め…。
人間ではないと教えられきたユダヤ人が、血の通った人間で、むしろドイツ人よりも優しいことを知った時の驚き。そんなユダヤ人少女を、命に代えても守ろうとした母親。そこには、教えられてきたナチスの正義とは全く異なる、人としての正義を貫きたいという熱い思いがある。本作は、ジョジョの成長記録という形で、人を愛することの重要性と戦争の愚かさを訴えかけているように思った。
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