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ジョジョ・ラビットのChiarumsのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.2
戦争の愚かさを伝えるとき、老若男女問わずダイレクトに胸に響くのは軍人たちが一糸乱れず闊歩する映像やキノコ雲の映像、残酷な殺戮シーンではないんだと思う。
もちろん、それらは絶対に見ていて楽しいものでも何でもないし恐ろしいことに変わりはないが。
もっとずっとずっと胸に響くのは、友人が、恋人が、父母が、あなたの大切な人がこの世界からいなくなってしまうということ。
この映画は10歳の少年の目線から、シンプルに戦争は本当に愚かだよねということを改めて教えてくれました。

スカーレット・ヨハンソン、マリッジストーリーでもすてきな母親を演じていましたが、今作でも素晴らしかった。
大変な環境の中、涙も見せず弱音も吐かず気丈に振る舞う母。後半のあの衝撃的なシーン以降もきゅっと胸が締め付けられる場面の数々でしたが、序盤の親子二人きりの食卓でのワンシーンや河原での親子の会話シーンがグッときました。口ごたえするジョジョに突如父親になりきって息子を厳しくも愛情深く諭すシーン。こういう何気ない日常のやり取りこそ深いメッセージがあって、愛する存在の尊さを感じさせてくれます。
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