Ringabell

ジョジョ・ラビットのRingabellのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.7
久しぶりに劇場で大号泣しまして、この名状し難い涙の意味は何だったのかと、ぼんやりした頭で考えてます。

ジョジョが可哀想とか、特定のエピソードに感動したとかそういう類のものではなく、突然自分の内側から込み上げてきた感情。

なんとなく、懺悔の涙みたいなものだったんじゃないかと、今は思います。

10歳のフィルターを通して描かれる世界は、どこか曖昧もことして、無邪気に残酷。

しかし戦争に負けた途端、信じて疑わなかった世界は瓦礫のように崩れ、ウサギ狩りの銃口は突如自分に向けられる。その恐怖、戸惑い、絶望。

ユダヤ人が味わってきた恐怖も、それをかくまった母の覚悟も、偏見の愚かしさも、分かってるつもりで本当の意味では分かっていない自分に気付かされ、感情が激しく揺さぶられました。

今もなお様々な常識を盲信しているであろう自分は、10歳の子供となんら変わらない。

監督の作為なのか天然なのか、どちらにしてもとんでもない才能だと思いました。

そんなわけで、劇場は涙の嵐…!かと思って振り向いたら、泣いてるの私だけでした。笑
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