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新聞記者のKのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
2.9
凄く細かい映画だと思う。
まず映像で状況が伝わり始まりに題名の新聞記者と出る時記者を映しながら画が回っていて歪みが見える。
記者の吉岡は赤い服をよく着てたり赤いマフラーをしているのは赤で情熱のようなものを表してるんだと思う。
政府側のシーンは全て青暗く記者の時は明るく対象的になっていて政府の闇を分かりやすく表現していると思うし冒頭やシーンの途中ででてくるビルの夜景などもこの国の闇を表してるんじゃないかなと思える。
そして記者の時だけカメラが揺られていて手前に何かボカシたものがあったりまるで盗撮してるかのようなカメラワークで政府のでっちあげる問題に対する疑惑や疑問、違和感のようなものを見せ杉原の家庭ではもちろん揺れてもない。後カット割りが多く意味を調べると非日常感を与えやすいとあったのワンシーンワンカットの映画だとリアルに見えたので映画の内容的にもそのままの意図かなと思う。
杉原役の松坂桃李を見ると瞬きすらも演技なんだなってよくわかる。
この映画の1番特徴的だなと思ったのは神崎の自殺の所で縦ショットのような画で、右端に神崎がいて真ん中道路で上には木があり次のカットで杉原が左端にいて枯葉が一面に落ちてる画がでてきてこれはビルから落ちるのは予想がつくがその見せ方が凄いなと感じた。その飛び降りたビルの屋上には黒い柵のようなものがあってそれも狭く息苦しさを見せるものなのかと思ってる。
神崎が自殺した時の杉原が多田のところへいった杉原のアングルは下からで強い意志を感じたし逆に多田は上からのアングルで強い権限のある者とわかりやすいアングルにしてる。
最後の方のシーンで杉原が長い廊下で何を見たのか映されてはないけれど廊下は多田と杉原が話してるショットがあったり子供がいるんだよねと廊下に行く前に脅しのようなセリフもあり見てる側の想像力を膨らませてるから最後の無音のセリフの終わりが引き立つんだろうなと思ったしそれを画で見せてるなと思うのが黄色いイチョウが落ちていて黄色は幸せのようなイメージがあるからそれが落ちている。そして信号が赤に変わって杉原と吉岡が少しシンメトリーのように見える立ち位置にあった。
映画でのシンメトリーの意味を調べたところ得体の知れない現象が起こっているように見せる構図で映画「シャイニング」がそのような技法を使ってるらしく意図してるのか見当違いか、、、
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