見たかったタイプの日本映画だったので、見ることができてうれしい。ジャーナリズムは権力の見張り役、その姿勢に拍手する。
序盤の「あのニュースのことだな」と匂わせる、フィクションニュースにニヤリ。けっして、完全なフィクションとはいえないエピソードがグッとくる。しかし、件の学校の真の目的については現実味がなく、一気にフィクション度が上がったのが残念だった。まぁ、フィクションだし映画なんだけど。
最後に杉原が発した言葉は「ごめん」だろう。やっぱり自分は保身をとる、と言いたいのだろうか。自分や家族や組織や地位を守ろうとした元上司が死に追いやられたのに? 悲しい。
捨て身の吉岡と、保身に傾く杉原、、、ふたりはどちらに進むのか。
それはそうと、杉原の「ごめん」は軽い。彼は何度も「ごめん」と言う。破水してしまい、一時は命が危なかった妻に対して言った「ごめん」の軽さったらないよ。
というより、妻が天使すぎる。この人物のキャラクターが、もっともフィクションだと感じた。
あと、随所で『ペンタゴン・ペーパーズ』を思わせる場面が見られた。あちらのほうが、リアルでヒリヒリしたが。