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轢き逃げ -最高の最悪な日-のKHのレビュー・感想・評価

2.2
年間ノルマ60本中63作品目。
『轢き逃げ-最高の最悪の日-』観させて頂きました。

本日でのNetflix内の視聴ランキング第6位と、そそられる映画のパッケージに視聴となりました。タイトル以外のネタバレは一切観ておりませんが、

これは個人的な見解ではありますが。
邦画のタイトルを簡潔に言い切らない作品には良作が少ないという自論がありますので、
そんなに期待はしておりませんし、誰が出るのかも観てません。

まずはネタバレなしの率直な感想をば述べたいと思います。


『率直に物凄く面白くなかったです。作中の演技が冒頭から嘘のように嘘臭く。まるで舞台を見せられてるように臨場感に欠けました。
テレビの再現VTRの方がまだ良かったほどです。また、何故そのような手法を取っているのかが気になり、むしろ何かの前フリなのかと勘繰ったほどで、結果的にそのセリフっぽいセリフをずっと聞かせられ、演技っぽい演技を見せられたまま終わりました。
また、台詞回しもどこか古臭く、決められた文章をただそれっぽく演じているのがどこかむず痒いというかダサいなと感じてしまいました。やろうとしていることはわかるのですが、むしろ展開が読めない点では良いのかもと思いましたが、結局一番初めに想像した通りの展開になってしまい、後はどう折り合いを付けていくかという感じだったので、最後の最後まで早く終わってほしいとさえ思ってしまいました。これは役者が悪いのか、言われた通りの演技なのかは不明ですが、映画を見るにあたり率直にノイズでした。
是非その目で確かめて見てください。』


思いの外、酷評となりましたが、本当にすごく見ていて疲れる作品でした。また結果的に誰が主人公なのかが前半と中盤から変更しており、なんだ、結局監督兼主演の水谷豊の映画なんだととても落胆しました。


またここからはネタバレを含む感想になりますので、まだ見てない方はここいらで戻っていただくとして。。

冒頭の輝が街を走っているシーンから始まりますが、彼は待ち合わせ場所に遅刻をしているのが本当に冒頭です。走っている距離と呼吸の荒さからそれなりの距離をダッシュしているだろうと思いますが、
待ち合わせている秀一が車なのであれば、
普通は輝の家の前まで迎えに行けばいいのに、彼はあんな道端で待っていたにも関わらず、15分ではなく20分も待たされたと吐き捨てたのであれば、相当な無能です。

そんなこんなで、先に話した通り役者の演技ですが、本当にかなりダサいです。
なんていうんですかね。テンプレと言うか、
何かをやらかして『参ったなぁ』って半笑いで頭をポリポリみたいな演技なんです。
個人的にリアルで『参ったなぁ』と言うセリフが存在するのかも疑問ですが、本当に場面場面でこんな学芸会のような芝居が横行しており、
何を見せられてるんだ?と冒頭から感じました。免許の書き換えで見せられる事故のDVDの演技クオリティと感じました。

また、監督が育ちがいいのか、なんなのか。登場人物のキャラ設定がみんな上級国民すぎると言うか、秀一と婚約者である早苗が高級レストランで嘘のような上質な会話をしていたり、結婚式後にマジかと思いましたが、あんな初夜的なものが本当に存在するのでしょうか。逆に新鮮でしたと同時に、水谷豊は若者にこうあってほしいとでも言われてる気がしてゾッとしました。


しかしながら、役者がこのような嘘のようにオーバーな演技をしていたり、
ラブシーンでは古き良き日本人たるや‼︎みたいなシーンを見せられてるので、個人的にはキャラクターから人間味が失せ、感情移入出来ず、ここからどのように展開してくれるのか?いっそ輝が黒幕くらいになってくれないとと思っていたら、やっぱり輝が黒幕でした。

後半サイコパスが発覚した輝も、取り調べでは口を尖らせて構ってちゃんみたいに演技するし、謎に眼鏡を食べると言うペラペラの『サイコパスってこんな感じだよね?』みたいな演技を率直にダサいと感じてしまいました。
これが監督の演出であればはっきり言って古いし、あれでは犯人の怖さも、同情も感じませんでした。脅迫状を送ったのが輝ならば、歩道橋で脅迫状に怯える演技は一体誰に向けた芝居なのでしょうか?むしろそこだけに関して言えばサイコパスだと思いました。


また、演技が臭すぎるのが原因なのかは定かではないですが、最愛の娘が亡くなった割にその両親から悲しさが伝わってこず、毎日娘の小さい頃のビデオを見て悲しみを演出しているなとは思いましたが、どこか冷めた印象を受けました。特に母親からはもう既に割り切っているような印象すら感じてました。

また娘の通うダンススクール?に水谷豊が聞き込みに行くシーンではさっきまでワンツーワンツーやってた友人が、え?嘘泣き?って言うレベルで水谷豊の前で泣くもんだから、
『え?なんかあるん?コイツら、黒幕なん?』と思ってしまうレベルであり、結果的にただの友人だったので、だとしたらあそこの演技も酷いなぁと思いました。

また、所々の小道具というか、ガバい部分も目につきました。
例えば脅迫状に使われた動物の目のくり抜きですが、自分がそう言ったものを作成する場合、動物図鑑を買ってきてそのままカッターか何かでくり抜くかなと思いました。
コピーを取ったものをくり抜くか、もしくはテキトーにパソコンで画像を拾って目のところだけキャプチャーして貼り付けたものをプリントアウトするなぁと思いました。
くり抜いた図鑑をそのまま犯人が所持しているでしょうか?

また、娘の合コンシーンを見せられる際も、わざとらしく『写真写りが悪い』と言うガバい理由で、嘘のように白いズボンだけがチラチラキモく映っていたり、カラオケで踊っている動画があったり、
水谷豊は合コンをしたことないのか
そこにいる男女が『あっち向いてホイ』をやってるのが
若者の合コンとはこう言うものだろ?俺だって知ってるんだぞ?それくらい。的なのを見せられてるようで、最高にキモかったです。


また、犯人が捕まり、妹の誕生日にケーキの火を消すシーンではいよいよ長回しに耐えられないくらい長すぎていよいよスキップしそうになりました。
本当にこれが最新の日本の邦画のクオリティなのでしょうか?
日本一ダサい芝居と台詞回しでした。

にも関わらず、完成披露試写会では、母親役の檀ふみが水谷豊の監督としての手腕をベタ褒めしており、『日本の監督は見習うべき‼︎』と太鼓判を押しているので、
日本の邦画の未来は暗いなぁとシンプルに思いました。
と言うよりは無能な監督に対してヨイショしてるだけのように見えてしまう酷い試写会でした。

こんなセリフ誰も言いませんよ。って一言でも言えるスタッフや、役者は一人もいなかったと想像できます。この映画に関わる全ての人が水谷豊に何も言えないんだろうなぁってシンプルに感じてしまいました。

それなりに実力のある役者も多かったし、こんな全体的にダサかったので、単純に監督の演出がこのダサい芝居を引き出しているのか、もしくはもっと舞台のようにハキハキと‼︎と指示を出してるだろうと思いました。
役者に罪はないと思いました。

酷評しましたが、ここまでたくさん書いてるから許してほしいです。
おそらく今年のワーストだと思います。
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