ナイジェリアでバス会社を経営する偉大な父。その父が病に倒れ、アメリカ帰りの娘・アダエゼが父の代わりに会社の舵取りに奮闘。叔父の助けを借りながら、自分の力を証明しようと頑張る彼女だが、男性優位社会の厳しい現実に直面し、会社の雲行きも怪しくなり…
Netflixオリジナル作品。アフリカが舞台でありながら、ジェノサイドとか歴史絡みの話ではなく、現代社会を反映した内容とハリウッド的なテンポや明るさのある作品。
アダエゼは裕福な家庭で生まれ育ち、アメリカでいい教育を受け、それを祖国の発展に還元しようと頑張る女性。男性優位の社会で、ビジネスの在り方もアメリカとは違う。女性である彼女がビジネス界で成功するのは、先進国と比にならないくらいに厳しい。さらには、周囲からの信頼も厚く実績を残してきた父の存在が重荷になることも当然ある。しかし彼女が頑張ることで、他の女性達にとっては大切なロールモデルができる。これは非常に大事なこと。あらゆるプレッシャーに囲い込まれた状況の中で、果たすべき役割・責任をしっかり自覚し受け止め、相応なふるまいと努力で邁進している姿は魅力的。
くじけそうになっても正しい方法で奮い立たせる母がいて、正当に評価する父がいて、働く者の目線を忘れず、陽気で心温かい叔父がいて…アダエゼの家族もまた素敵。この親(家族)にしてこの子あり。最近、本当にその通りだと思うことが日常で多いのだけど、この映画でもまたそれが頭に浮かんだ。
自分の力で大きなことを成し遂げる挑戦をする。ちょうどそんな時だから、成し遂げたいことにストイックに自らを捧げる意識と頑張るための元気をもらえた。