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スウィング・キッズのシニアクラブのレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
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1928年生まれの、私の母は、日本舞踊をやっていたために、戦後、進駐軍のパーティーで、しばしば踊らされたそうだ。米兵の慰安のためだから、目的は違うが、状況は、ロギスたちと似ている。

当時、女学校を卒業したてで、若かった母は、舞台で踊るだけでなく、将校たちのダンスのお相手もさせられたらしい。当然、白い目で見る日本人も、たくさんいたようだが、本人は、たちまちスウィングの魅力に取り憑かれ、ダンスに夢中になってしまった。日舞の稽古そっちのけで、ステップの練習に励む日々。まるでロギスだ。

やがて、米兵たちは、まさに朝鮮戦争に駆り出されていったようだが、残された母は、83歳で亡くなるまで、スウィング・ジャズを愛していた。

征服する側と、される側。その関係は、単純ではない。憎しみを増幅させたり、恋や友情が芽生えたり、互いの文化に夢中になる者が出てきたり…。

ファック・イデオロギーというけれど、イデオロギーをちゃんと理解していた者など、どれほどいたのか。わけもわからず、混沌とした中で、巨大な力の渦に呑み込まれていく…。たいてい、そんなものではなかろうか。

ド・ギョンスが好きで、ネット配信で何度も観たあげく、暮れに、ドリパス上映会で、シアターで鑑賞。

身体にガンガンと打ち込まれてくるタップ音と、スウィングのリズム!。その後、3日位、陶酔状態だった。

シニアクラブさんの鑑賞した映画