しろくま

天気の子のしろくまのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.7
2022.11.12/247/TV録画
〝それはまるで光の水たまりのようで、気づけば彼女は、病院から駆け出していた。思わず強く願いながら、彼女は鳥居をくぐった〟その時突風が吹いて、彼女は空高く…。

小さな範囲の短い間だけだけど、晴天を呼ぶことができる特殊な能力を身に付けた陽菜。彼女と出会った帆高は、この能力を生かして、晴れ間を届ける商売を提案。商売は軌道に乗ったものの、陽菜が顔バレしてしまったことで休業を決意。帆高が拳銃を拾い所持していたことを警察に知られたことで、警察に追われ…。

本作も〝君の名は〟と同様の〝ボーイ・ミーツ・ガール〟と超常現象の合わせ技。前作の湿原の祠の役割を担っているのがビルの屋上の鳥居で、再びそこを訪れることで、最悪の事態を回避しようとするが…。

本作の異常気象の原因は環境破壊による温暖化の影響って分かるけど、陽菜たちの小銭稼ぎは、僅かではあるがそれを食い止めることができたということなのか、それとも天の気を乱して更なる異常気象を招いたということなのか。それと、陽菜を連れ戻すことができたけど、その代償を払わなかったことで世界の形が変わったって言うこと?それとも形が変わったのは異常気象が長く続いた結果?このことについて冒頭のナレーションで〝全部夢だったんじゃないかと今では思う。でも夢じゃないんだ。あの夏の日、あの空の上で、僕たちは世界の形を変えてしまったんだ〟って言っていて、自分たちに原因があるって思っているみたいだけど、夢だと思うことで責任を回避したいという気持ちもあって…。ただ、全てを彼らのせいにしてしまうのは酷な話だよね。あの時、連れ戻すだけではなく、空の上で立ち向かうシーンを加えて最悪の事態を回避する展開にできなかったのかな。世界の形が変わっても人々は順応していくものだっていうのも分からないではないが、それだと、我々は環境破壊による異常気象を受け入れるしかないって言われているようでスッキリしない。

〝君の名は〟のヒットを受けていろんな企業とタイアップしていて、キャラクターや商品が映り込んでいるけど露骨過ぎると嫌われるので、ほどほどにしないとね。あのホテルで過ごすシーンも、まさかのタイアップ?いろんな機能があることを紹介してたけど、家族連れで観る映画にあのシーンはないでしょ。そもそも未成年の利用はできないことになってなかったっけ。

コラボ商品では、子猫のアメがポケットから顔を出しているユニクロのTシャツが可愛いかったけど、その後のアメの激変ぶりにはびっくり。映画には〝君の名は〟の三葉と瀧もゲスト出演していて、どっちかというと共感できるこっちの二人のその後の方が気になるんだけど…。
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