煙草と甘いコーヒー

天気の子の煙草と甘いコーヒーのネタバレレビュー・内容・結末

天気の子(2019年製作の映画)
2.7

このレビューはネタバレを含みます

タイトルが出てくるときの唐突感はあったが、雨の表現の凄さは圧巻。

天気の巫女という設定で、少年も空に行けてしまうんだ、、、と都合が良すぎる感はあったが、まあ、そういうものなのだろう。

人柱

少年に「この雨がやんでほしい?」と少女が聞いたが、どうしてあそこまで軽くしたのだろうか。雨がもたらしている甚大な被害と引き換えに、としないのは何故だろう。最後に少年がやっぱり雨が止まなくていい、と選択した時に、少年がひどいエゴイストになってしまうのを避けるためだろうか、、、そのせいなのか、前半が薄まり、つまらなく、退屈を覚えてしまった。

少年は何故家出して来たのか、が弱く、帰りたくない、という思いも相対的に弱まり、その弱さが、少女への依存を弱め、追い詰められ感が弱くなり、ラス前の小栗旬に銃を向けるときの悲壮感が弱まり、「会いたい」という思いも見る人の胸を苦しめるものとはならなかった。泣いている観客もいたが、鼻をすする程度で、目から涙はこぼれてはいないようだった。

恥ずかしいやり取りが恥ずかしい。

小栗旬に「大丈夫ですか? あなた泣いてますよ」というのも、いい台詞なのだが、小栗旬の感情に全然入れていないので、ポカンとしてしまった。小栗旬に罪はないと思うのだが、最後までキャラの声と小栗旬の声とが溶け合わず、小栗旬がしゃべってるなー、と終始思ってしまい、それも感情移入のできなさを手伝っていたように思う。キャスティング、ムズカシ。いや、脚本のせいか、、、

最後に、スタッフロール前の主要キャスト・スタッフの文字の動きが素敵だった。雪のように上から下にフワーッと降りてくる動きが。