ゆりあ

天気の子のゆりあのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.0
夜、テレビを点けた途端にあるタレントが映り、こんなことを言った。

「命がけの愛が人を救うんですね」

申し訳ないがこれはかなりのうろ覚えである。うろ覚えではあるけれど、タレントはその後にこう続けていたように思う。

「つまり人を救うのにはそれほど必死になる必要があるんですね」

私はこの作品を愛の物語だと思う。
こう言うととても陳腐に聞こえて嫌なのだけれど、でも、これは愛の物語だ。
命がけの愛が人を救った、愛の物語。

先に断っておくけれど私は「君の名は」は全然肌に合わなかった。それは今でも変わっていない。
でも「天気の子」は合う合わない以前に完全に【やられ】てしまった。ラウンドが始まる前からノックアウトである。

物語の骨子ともいえる「愛」があまりにもひたむきであまりにも真摯で、見ていて痛くなるぐらいだったし何なら顔面崩壊するぐらいに泣いた。

いやいや、絶賛している私にだって突っ込みたい点は山程ある。「何で雨が魚やねん」とか「銃に安全装置かかってないんかい」とか「雲の上にあんなんあるんですか」とかとかとか……。
少し不思議(SF)が好きな私から見てもちょっとふわふわしすぎやろ!とは思うけど、そんなもん突っ込むだけ野暮である。

だってこれは愛の物語なのだから。
愛の前では全てが馬に蹴られるのである。

命がけの愛が人を救う。
私には、そこまでして救いたい人がいるだろうか。
あるいは、そうまでして手を伸ばしてくれる人がいるだろうか。
見終わった後にそんなことを思った。
ゆりあ

ゆりあ