DJあおやま

天気の子のDJあおやまのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
2.8
『君の名は。』公開当時、世間はあの盛況ぶりなのに対して、自分はわりかしミーハーな気質なはずなのに、いまいちハマらず、そのビッグウェーブに乗れていない感に悔しさを覚えた。しかし、今度こそ乗ってみせるぞと息巻いて、本作の鑑賞に臨んだ。
クライマックスを迎えるまで、自分の気持ちがまったく乗り切れていないことに焦燥感を覚えながらも、きっと確変があるはずだと祈っているうちに映画は終わっていた。なぜこうも心が動かないのか、帰りのJR中央本線に揺られながら考えるも、明確な理由もわからなかった。ただ、好みじゃないからということで済ませたくもなかった。
流行っているものをこき下ろして、マウントを取りたい年齢でもなくなった今、流行っているものに飛び付いては、その瞬間最大風速を一身に受けることが一番楽しいのだと気づいた。だからこそ、この『天気の子』も例外なく、今、楽しみたかった。
しかし、行き過ぎたボーイミーツガールは、人の迷惑を顧みないただの傍若無人な振る舞いという風に、僕の目には映った。警察も仕事なのだから、悪者みたいに思っちゃダメ。人にピストル向けちゃダメ。人生踏み外しちゃダメ。水が入ってくるから窓開けちゃダメ。と映画に老婆心を持ってしまうほど、自分はすっかりつまらない大人になってしまったとますます悲しくなった。
いや、良い映画だとは思う。ただ、何でもかんでも美しく描きすぎ。悪いことは悪い。
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