綾辻安吾

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスの綾辻安吾のネタバレレビュー・内容・結末

2.9

このレビューはネタバレを含みます

またも、またまたまた、かなり予習が必要な作品だったなというのが非常に残念。

最近のディズニーマーベル作品はドラマ以外は殆ど見ているがそれでも、理解が追いつくのに時間がかかったし、途中はもう置いていかれた感じ。

ワンダヴィジョンは見ていないとわからないと言う人が多いがエンドゲームの後、ワンダは農園に引っ込んだという風に解釈できないこともない。
ただ急な闇落ちに対しては、やはりワンダヴィジョンがなきゃ説明つかないのかなぁと。

このように、有料配信で展開している作品まで網羅しないといけないディズニーマーベル作品は、敷居が高くなりすぎていると思うし、観る側にあまりに甘えすぎている。

ワンダヴィジョンを「観ていない」事前提に作らないと「映画」としてはやっぱりおかしいと思うし、ドラマの世界と地続きにするなら映画の中で多少説明が欲しかった。
(一応、エンドゲームの後の話という事を強調するためか「彼の頭を貫いた」?みたいな台詞はあった)

その引っかかりを拭えないまま、ボスは闇落ちしたワンダことスカレーットウイッチです、中ボスは違う世界の自分ですでは、元アベンジャーズというヒーロー達の後日談にしてはあまりに辛い展開だなと。
正直ストーリーは先が読めるし、殆ど魅力を感じないまま突き進んでいってしまった印象。
何よりも、過去にケヴィン・ファイギは「ドラマを観てなくても楽しめるように作る」と言っていたのでそれを信じてしまったのもある。


なので別の見方として。

70年代、80年代のホラー映画のオマージュが多く使われていますよね、特にマルチバースをしたあとはその演出が顕著。

赤髪真ん中分けで、白シャツを着て、血まみれで襲ってくるワンダの姿はどうみても映画「キャリー」だし。
墓から蘇るシーンも「キャリー」や「ゾンビ」だし。(監督的には死霊のはらわたなんだろうけども)
チャールズが精神世界でワンダを救おうとするのは「IT」と同じ構図。

わざと演出を古くしているのだとは思うが、ちょっとあまりにやりすぎで
俺は今本当に2022年の映画を観ているのだろうか?と思うほどw

恒例となったポストクレジットが正直いまいちで、別に本編のエンディングにもってこればよかったのに?と思うような内容。
2回ストレンジの三つ目がとおるを見せた理由とは???

ドクターストレンジは大好きなキャラで、かなり期待していただけに結構な肩透かしを食らった。
直近のモービウスが酷すぎたしね。

個人的にかっちょいぃぃ!となったシーンが最初の変身と、バケモン(魔女)にはバケモン(悪霊)をぶつけんだよ!のシーンだけだったので、B級ホラーではなくヒーロー映画として観たかったなぁというのが本音。
スパイダーマンノーウェイホームでマルチバースに対しての思い切りと豪華さを味わってしまった後なのでどうしても薄口に感じてしまったなと。

ベネディクト・カンバーバッチの魅力だけでなんとか持たせた2時間だった。
綾辻安吾

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