茸のうち

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスの茸のうちのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

2時間とは思えない濃密さ!テンポ良すぎてずっと釘付け。間違いなく面白かった!面白かったんだけども!展開としては期待してたものではなかったなぁっていうのが正直な感想。

ワンダのヴィランっぷりは過去最高峰。サム・ライミの仕上げもあってホラー映画のようだった。
サノスがかわいく見えるくらいの残虐性だし、全年齢のギリギリを攻めてたと思う。

ただあまりに強すぎてイルミナティの面々瞬殺したのはちょっとがっかり。ファンが待ちに待ったキャラ達を噛ませ犬にしたのは、ワンダに対する絶望を植え付けたったんだろうけどあまりにあっさりすぎて、もはやイルミナティが間抜けに思える。
「魔女のドリームウォークごときは問題ではない(ドヤァ」とか言って瞬殺されるリード・リチャーズくんフラグマスターすぎませんか。F4,Xメン、インヒューマンズが揃うせっかくの機会なんだから見せ場を作ったうえでしっかりバトルしてもらいたかった。

そして最強かつ最凶のヴィランになったワンダに救いがあるはずもなく、終わりがあまりに悲しすぎて...
家族を失い、愛する人を手にかけながら地球を守り、また新たな家族を求めた結果闇堕ちして、かつての仲間と敵対して、最後は自らを滅ぼす。
どう考えても一人だけ過酷な運命背負いすぎじゃないですかね😇
脚本段階ではマルチバース闇落ちワンダvsワンダで贖罪の選択肢もあったと思うんですよね。バッキーだって人殺しまくってるのに許されてるわけだし。
メインヴィランにするならするでハウスオブMみたいな壮大な作品の足掛かりにしてほしかった。誰よりも犠牲を払ってきたヒーローの終わりが、『ワンダヴィジョン』の延長から何も変わらない暴走って....
まぁそんな感じでワンダに関してはわりと推しキャラだったので、不満が結構ありました。

ただストレンジ周りはかなり良かった!
全体的に今作のストレンジはひねくれてなくて、ナイスガイ。
アメリカチャベスと徐々に打ち解けていく信頼関係も良いし、クリスティーンへの変わらぬ愛情も感慨深いものがある。
『what if』で闇堕ちするトリガーがクリスティーンだし、ストレンジは相当思い入れがあるのね。
それを加味した上でのクリスティーンへの「全宇宙で君を愛してる」は「3000回愛してる」と並ぶくらいの名セリフ。
今作全体的に名言も多かった気がする。

総じてめちゃくちゃ面白いのに不満はあるという不思議な映画でした。

"Are you Happy?"
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