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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのsomaddesignのレビュー・感想・評価

5.0
どんな体勢からでもゴールを決め、しっかりサム・ライ味を残すさすがの芸風

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マルチバースの扉を開いたことで変わりつつある世界を元に戻すため、アベンジャーズ屈指の強大な力を誇るスカーレット・ウィッチに助けを求めるストレンジ。しかし、もはや彼らの力だけではどうすることもできない恐るべき脅威が人類に迫っていた。その脅威の存在は、ドクター・ストレンジと全く同じ姿をした、もう一人の自分だった。

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前作スコット・デリクソン監督から御大サム・ライミ監督へバトンタッチ。
「スパイダーマン」シリーズでも制作総指揮だったケヴィン・ファイギからの直々のオファーだったそうなので、長い遠回りを経て御大再びMCUに合流した感ある。長年ジャンル映画好きとしては、大先生が再びメジャーに復帰したようで胸熱。

「マルチバース」ってなんだか複雑な設定を、「あの日あの時別の選択をしていれば、あり得たかもしれない未来」が実在する世界として

誰しも選択と決断の連続の中で、「あの日勇気を出して告白していれば…」「もっと相手を思いやれていれば…」「あんな言い方しなければ…」なんて後悔したことがあるはず。今作だと、あの日あの時の失敗がなかった・うまくやれた結果の先の未来を「マルチバース」として描いてる。量子力学の多元宇宙の解釈はちっとも分からないので、こうして身近な感情の世界に引き戻すと何やら分かった気がする。
「スパイダーマン3」を、うっかりスタジオやその他の要望に従うままに作ってしまったせいで、せっかく順調に進んでた三部作の最後にミソつけちゃったサム・ライミが、後悔と懺悔込みでシリーズの集大成を図ってるみたい。「スパイダーマンNWH」と合わせて、虚実を超えて過去を精算してるみたいで胸熱。


(仕事があまりに忙しくて満足に予習・復習ができない。いつかちゃんと書き直したい)

33本目
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